君に抱いた恋心を記憶の中にそっとしまって。

本音に、これで終わったんだ。


私たちの関係は、これで終わったんだ……。



「遥陽……遥陽……うわぁぁぁ……!」



収まってきた涙だったけど、無意識に遥陽の名前を呼んでいるうちに、また溢れ出てくる。


一生分の涙が出てきたんじゃないかと思うほど、その日、私は一晩中泣いていた。涙は枯れることなく次から次へとこぼれ落ちる。


スマホを握りしめながら、泣いていた。


私たちの関係を繋げてくれたスマホは、もうなんの役にも立たない。


頭の中では整理はついているのに、どうしても受け入れられなかった。


だけど私は後悔のないように遥陽と繋がっている今のうちに、伝えきれなかったメッセージを入力し、送信ボタンを押す。


そして、読まれたか分からないうちに、遥陽の連絡先を、そっと消した。


これで、終わり。


私の初恋は、終わった。


だけど、この恋は、私の記憶の中にしっかりと刻み込まれている。


忘れることの無い思い出。
< 198 / 232 >

この作品をシェア

pagetop