君に抱いた恋心を記憶の中にそっとしまって。

それからは部屋着に着替えて宿題に取り掛かった。遥陽さんからはメッセージが届いていないのでしばらくスマホの電源を落とすことにした。


スマホを近くに置いていると気になって宿題に集中出来なくなると思う。私は心の中で謝りながらスマホの電源を落とし、宿題に集中していた。



「初優ー?部屋にいるの?」


「……んっ……お母さん?」


「あんた、宿題広げながら寝てたの?」



あれからどのくらい時間がたったのだろうか。部屋のドアの方からお母さんの声が聞こえてきて顔を上げる。


……どうしよう、いつの間にか寝落ちしてた。


お母さんは呆れながら私に聞いて来た。



「あれ、今何時?」


「午後6時30分よ!お夕飯できたから降りてきなさい!」



午後6時30分!?


そんなに時間が過ぎてたの!?


ってことはほぼ丸一日寝て過ごしてたんだ……。


私ははぁ、とため息をつきながら全く進んでいない宿題をしまう。
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