君に抱いた恋心を記憶の中にそっとしまって。

「本当に?」



紗夜の話が信じられなくて疑いの目を向ける。


こんな何も無い私の話をして気に入るってよっぽどのことなんだなと思ってしまった。


嬉しいと思うはずなのに素直になれなくて、すんなりと受け入れることが出来なかった。



「本当だって。ねぇ、試しにさメッセージくらい交換してみたら?初優の中でなにかが変わるかもよ?」


「うーん……」



私を見ながら必死にそう訴えてきた紗夜。


“なにかが変わる”と言われて少し心が揺らいだ。だけどこの性格からしてすぐには頷けない。


だけど興味無い事は……ない、んだよな……。



「わ、かったよ。メッセージのやり取りくらいなら」


「本当に!?やった!」



しばらく唸って最終的には紗夜の圧に負け、頷いた。メッセージのやり取りくらいなら、と頷いたけどあまりの紗夜の喜びように少し驚く。



「あ、あんまり期待しないでよ?付き合うかどうかなんて分からないからね?」
< 5 / 232 >

この作品をシェア

pagetop