君に抱いた恋心を記憶の中にそっとしまって。

イ、イケメンの笑顔って破壊力がすごい……。あはは……。


こんな完璧そうな遥陽さんでも緊張するの?



「緊張、してるんですか?」


「してるに決まってるでしょー?だって初優ちゃんとの初めてのデートだよ?緊張しない方がおかしいって」



……そう、なんだ。


なんか、嬉しいな。


遥陽さんにそう言われて少し嬉しくなった。私なんかに緊張しないだろうなって思っていたからちょっと安心した。


それからは軽く今日のことを話してから、最初の目的地に向かうことになった。


ドキドキしながら遥陽さんの隣を歩く。



「大丈夫?早くない?」


「大丈夫ですよ」


「良かった」



遥陽さんは私のことを気にかけてくれている。


歩くスピードも私に合わせてくれるし、話すことが苦手な私のことを思ってか遥陽さんはずっと私に話しかけてくれていた。


おかげで歩いている時も楽しい時間を過ごせて、終始笑いが止まらなかった。
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