君に抱いた恋心を記憶の中にそっとしまって。

『……っ、電話でそれ言うのは反則でしょ……』


「へ?反則?」



ぎゅっと目を瞑りながら遥陽さんの言葉を待っていると今にも消え入りそうな声でそんなことを言ってきた。



『そんな可愛いこと言ってると襲いにいっちゃうよ?俺だって今すぐに初優ちゃんに会いたいんだから』


「……っ!は、遥陽さん……?!」



囁き声で言われた言葉は私を甘い気持ちにしてくれた。ドキドキが胸いっぱいに広がって、幸せでいっぱいで。


こんなにも最高な時間はないと思った。


これが、両想い。


彼氏彼女になった証なんだと改めて思った。



「も、もうっ!電話でそんなこと言わないでください!自惚れちゃいます!」



このままでは甘すぎてトロけてしまうと本気で思ってしまった。布団の上でじたばたと足をバタつかせる。


ドキドキが止まらなくて、今の言葉は私には刺激が強すぎた!



『自惚れじゃないよ。初優ちゃんは俺の彼女でしょ?会いたいって思うのは当然のことだよ』
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