幸せな音
「ああっ、そう、そうです、すごいです信愛さん、上手です」

 なんだろうこれ。普通に楽しいし、褒められると滅茶苦茶嬉しい。体力が続く限り優武の背中を押していたい。

「ありがとうございました。そろそろ交代でお願いします」

「えー、もうー? 私はまだまだいけるんだけど」

「これ以上してもらうと気持ち良すぎて寝ちゃいそうですから」

「このまま寝ちゃってもいいよ」

「えっ、いや、でも……」

「うん?」

 煮え切らない優武は恥ずかしそうに応えた。

「……それじゃあ僕が信愛さんをマッサージできないじゃないですか。僕も信愛さんに触れたいです。ダメですか……?」

「ダメじゃないです……! もー! そういうことなら早速お願いしますー!」

「じゃあ横向きに寝てもらっていいですか?」

「こう?」

「はい。それではお願いします」

「お願いしますー!」

 優武は慣れた手つきで首肩を揉んでくれる。

「んっ、優武くんすっごく上手ー」

「ありがとうございます。肩の力を抜いてくださいね。肩甲骨に指を入れます」

「んあっ、ああっ、すごい、そんなところに指が入るの!?」
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