幸せな音
「なになに? 教えてよー? うりうりー」

 優武の乳首をツンツン攻撃。

「あっ、やめて、信愛さん、勘弁して」

 あははは、照れる優武は可愛いな。

じゃれ合いもこれくらいに、電気を消していざ本番に。優武の温かな手が優しく信愛の肌を按撫する。唇と唇が重なる。舌が絡まる。全身がぞくぞくするほど気持ちいい。……ずるいぞ優武。信愛の弱いところ全部知って……えっ、何これ、勝手に嬌声(きょうせい)が出る。腰が跳ねる。

なんで、いつもより、感じるの……? こ、これはまずいのでは? 声が隣の客室にまで聞こえてしまう。それは恥ずかしい。何とか優武が果てるまで堪える。優武の動作もいつもより激しくて声を抑えるのに苦労した。お互い息も絶え絶えで恥ずかしそうに眼が泳ぐ。

気を取り直して愛し合った後のスキンシップに移行する。信愛はこの時間がたまらなく好き。優武が頬を撫でてくれる。額にキスをしてくれる。信愛も負けじと優武を抱きしめて唇にキスをする。互いに多幸感いっぱいの顔で笑い合う。ああ、もう、幸せ過ぎてどうにかなりそう。
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