幸せな音
帰りの観光バス、こうして優武と肩を寄せ合って座っているだけで昨晩の幸福が蘇り、火照った頬が緩む。信愛が優武の肩に頬を乗せてすりすりすると、優武は信愛の頭に頬を寄せてすりすり返しをしてくれる。これが好き。バスの振動と優武の温もりで心地よい微睡みに誘われる。意識が途切れる刹那、優武と新しい命を育んでいきたいと強く望んだ。
ドンッ! 大きな音と衝撃、落下感。体がビクっと痙攣して目が覚める。寝すぎたのか、頭に鈍痛が奔る。視界もぼやけていて思考がうまく働かない。
「えへへ、寝ちゃってたみたい」
隣に座っている優武に照れ笑いを向けようとした―――
―――でも何故かそこには母がいて目を剥いて驚愕している。
「……え?」
あれ? 何か腕に巻かれて……これは包帯? 足にも、額にも巻かれていて、真っ白な部屋に白いシーツのベッドで横になっている。まるで病院のような……。
「お母さん……? これ、どういう事? 確か私、優武くんと旅行にうわわっ!? どしたのお母さん!」
「信愛――!!」
ドンッ! 大きな音と衝撃、落下感。体がビクっと痙攣して目が覚める。寝すぎたのか、頭に鈍痛が奔る。視界もぼやけていて思考がうまく働かない。
「えへへ、寝ちゃってたみたい」
隣に座っている優武に照れ笑いを向けようとした―――
―――でも何故かそこには母がいて目を剥いて驚愕している。
「……え?」
あれ? 何か腕に巻かれて……これは包帯? 足にも、額にも巻かれていて、真っ白な部屋に白いシーツのベッドで横になっている。まるで病院のような……。
「お母さん……? これ、どういう事? 確か私、優武くんと旅行にうわわっ!? どしたのお母さん!」
「信愛――!!」