幸せな音
 だけど僕がはっきりしないせいで、君にお風呂だマッサージだと大変気を遣わせてしまったね。僕は本当にダメな男だな。まさか君から求めてくれるなんて考えもしなかったんだ。

ああ、もう逃げている場合じゃない。世界で一番愛している女性から選んでもらえたんだ。人生の全てを捧げる覚悟で、君と向き会わないでどうする。

「誰よりも幸せにしたい……大事にしたいんだ……」

 隣で気持ち良さそうに眠っている、世界で一番可愛い僕のカノジョの額にキスをする。

 

 週末のデートはどこに行こうか。今回は僕がセッティングする番だ。彼女の好きな漫画の発売日だし書店には当然寄るとして、たまには普通にユニモールで買い物っていうのもいいかもしれない。信愛さんが目をキラキラさせてパワーストーンを眺める様は見ていて飽きない。そして少し早いが誕生日プレゼントのリサーチもさりげなくしておかねば。早速信愛さんと打ち合わせするべくLINEメッセージを送る。
< 56 / 93 >

この作品をシェア

pagetop