幸せな音
早く週末来ないかな。ウキウキしながらスマホでぐるなびを眺めていたら信愛さんからのメッセージ通知が。表示されたメッセージ冒頭はとても明るい雰囲気とは言えなかった。何があった。
メッセージ内容は信愛さんの聴力が著しく低下していて、そう遠くないうちに聴力を失う事になるかもしれないというものだった。
文章は簡潔で、心情は特に綴られていなかった。それが痛々しかった。今、彼女は独りで泣いているのだろうか。膝を抱えて不安と絶望に苛まれているのだろうか。
居ても立ってもいられない。今すぐ彼女の傍に行かないと。僕が傍にいたところで彼女の絶望が和らぐ事はないのかもしれない。それでも一緒に泣く事くらいはできる。未来が不安なら一緒に乗り越えようと夢を語る事くらいはできる。
コートを羽織ると机の引き出しに後生大事にしまい込んでいた婚約指輪を手に取って家を飛び出す。
こんなタイミングでプロポーズなんて、弱みに付け込む卑劣な行為とすら言えるかもしれない。たとえそうだとしても一刻も早く家族になりたいと思った。
メッセージ内容は信愛さんの聴力が著しく低下していて、そう遠くないうちに聴力を失う事になるかもしれないというものだった。
文章は簡潔で、心情は特に綴られていなかった。それが痛々しかった。今、彼女は独りで泣いているのだろうか。膝を抱えて不安と絶望に苛まれているのだろうか。
居ても立ってもいられない。今すぐ彼女の傍に行かないと。僕が傍にいたところで彼女の絶望が和らぐ事はないのかもしれない。それでも一緒に泣く事くらいはできる。未来が不安なら一緒に乗り越えようと夢を語る事くらいはできる。
コートを羽織ると机の引き出しに後生大事にしまい込んでいた婚約指輪を手に取って家を飛び出す。
こんなタイミングでプロポーズなんて、弱みに付け込む卑劣な行為とすら言えるかもしれない。たとえそうだとしても一刻も早く家族になりたいと思った。