幸せな音
「うああああ……! 優武くん、優武くん、本当に優武くんだ!! うああああああああああああああああああああああ!!」

 信愛はそのまま優武の胸の中で泣き崩れる。優武の目尻にも感涙が浮かぶ。

「信愛さん、信愛さん、信愛さんッ……! やっと届いた……!!」

 優武は愛情いっぱいに信愛の頭に頬を摺り寄せる。信愛はまた一層涙が溢れる。夢みたいな奇跡だ。もう一度優武の温もりを感じられるなんて。

「ごめん、寂しい思いをさせて、あんなに呼びかけてくれたのに何も応えられなくてごめんね」

「ううううっ、あああああああああああああああああああああ!!」

 信愛は必死に首を振る。

 違う、違うよ、謝らないで。優武くんは何も悪くない。私を命懸けで守ってくれたんだ。こんなにお礼が言いたいのに、泣き叫ぶことしかできないのが歯がゆい。

「あああああああああ! ううううう、優武ッくん! 痛く、なかったッ?」

 辛うじてこれだけは訊けた。ずっと心配だった。事故から息を引き取るまでの間苦しんだんじゃないかって。

「ああッあああ……!」

 優武も信愛を抱きしめながら泣き崩れる。
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