幸せな音

幸せな音

 胎動に歩生(あゆむ)の個性を感じるようになる。あまりの嬉しさに義母にも見てもらいたくなる。

「いらっしゃい、信愛ちゃん! あらまあ! もうそんなに大きくなったのっ?」

「えへへ、そうなんですー!」

「さあどうぞ、上がって」

「お邪魔しまーす!」

 義母に会いに来たというより、友人に会いに来た気分。信愛はお茶を呼ばれながら歩生の事を自慢気に話す。それを義母は嬉しそうに聞いてくれた。

「あら今蹴ったわ! ばぁばぁですよぉ? わかるかしら?」

 義母は信愛のお腹に耳を当てながら楽しそうに笑う。

「お腹を叩くと面白いんですよ!」

「あははは、本当ね! すごいすごい! 私もやってみていい?」

「どうぞどうぞ!」

 二人で年甲斐(としがい)もなくはしゃいだ。

「歩生くん、本当に大きくなったわねぇ。もうどれくらいだっけ?」

「28週くらいです」

「それじゃあこれからが本番ね! 私で良かったらなんでも協力させてね?」

「ありがとうございます!」
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