幸せな音
優武がそっと抱きしめて頭を撫でてくれる。信愛は堪えきれず彼の胸の中に顔を埋めて泣く。
「信愛さん、僕は信愛さんに会えて幸せだよ? 信愛さんはどう?」
「おかしくなりそうなくらい幸せ……」
優武は快活に笑うと信愛の耳から頬を愛おしそうに撫でる。信愛は頬で優武の掌の体温を感じる。彼のこの温かくて優しい手が好きだ。
「僕は信愛さんの難聴もひっくるめて愛しているし、感謝もしてる。だってもしも信愛さんがその病気を抱えていなかったら、きっと僕達は出会う事すらできなかっただろうから」
「優武くん……」
「何が要因で幸せになれるかなんてわからないよ。一見生き辛そうに見える病気のおかげでいい出会いに巡り逢える事だって絶対にあるはずなんだ。僕達みたいに」
そうだ、この難聴のせいで苦い思いもいっぱいしてきたけれど、でも全部が不幸だったわけじゃない。この難聴のおかげで今までの苦労全部が帳消しになるくらい、いや、それ以上の幸せを見つける事ができたじゃないか。
「僕達はこの愛を伝えていけばいい。そうすればどんな困難だって乗り越えていけるさ」
「信愛さん、僕は信愛さんに会えて幸せだよ? 信愛さんはどう?」
「おかしくなりそうなくらい幸せ……」
優武は快活に笑うと信愛の耳から頬を愛おしそうに撫でる。信愛は頬で優武の掌の体温を感じる。彼のこの温かくて優しい手が好きだ。
「僕は信愛さんの難聴もひっくるめて愛しているし、感謝もしてる。だってもしも信愛さんがその病気を抱えていなかったら、きっと僕達は出会う事すらできなかっただろうから」
「優武くん……」
「何が要因で幸せになれるかなんてわからないよ。一見生き辛そうに見える病気のおかげでいい出会いに巡り逢える事だって絶対にあるはずなんだ。僕達みたいに」
そうだ、この難聴のせいで苦い思いもいっぱいしてきたけれど、でも全部が不幸だったわけじゃない。この難聴のおかげで今までの苦労全部が帳消しになるくらい、いや、それ以上の幸せを見つける事ができたじゃないか。
「僕達はこの愛を伝えていけばいい。そうすればどんな困難だって乗り越えていけるさ」