幸せな音
なんだろう、お腹が熱い。信愛の膨らんだお腹が輝いている。違う、熱く輝いているのはその中、歩生の命だ。
信愛は優武の腕の中でお腹を抱えて泣き崩れる。なんて尊くて、愛おしいのか。早くその顔を見たい。早くその声を聴きたい。早くその身を抱きたい。
一体何を怖れていた。一体何を不安に思っていた。たとえ世間にどれほど糾弾される事になろうとも、たとえ愛する我が子に嘆き責められる事になろうとも、信愛は躊躇わず産む。そして家族として一緒に生きていくんだ。これからの未来を――
目が覚める。眠りながら流していた涙を拭う。
「ありがとう、優武くん」
暗雲は晴れた。この決心が揺らぐ事はもうない。
40週6日目。病院に行き超音波検査とNST検査を受けて、うん、今日も今日とてまるで産まれてくる気配がない事がわかる。歩生の心拍は元気なようだけれど、ちょっと心配だ。
雑巾がけ、ウォーキング、階段の昇り降り、スクワット。無理のない範囲で色々試しているのだがおしるしも破水も陣痛も来ない。どうしてだ。
信愛は優武の腕の中でお腹を抱えて泣き崩れる。なんて尊くて、愛おしいのか。早くその顔を見たい。早くその声を聴きたい。早くその身を抱きたい。
一体何を怖れていた。一体何を不安に思っていた。たとえ世間にどれほど糾弾される事になろうとも、たとえ愛する我が子に嘆き責められる事になろうとも、信愛は躊躇わず産む。そして家族として一緒に生きていくんだ。これからの未来を――
目が覚める。眠りながら流していた涙を拭う。
「ありがとう、優武くん」
暗雲は晴れた。この決心が揺らぐ事はもうない。
40週6日目。病院に行き超音波検査とNST検査を受けて、うん、今日も今日とてまるで産まれてくる気配がない事がわかる。歩生の心拍は元気なようだけれど、ちょっと心配だ。
雑巾がけ、ウォーキング、階段の昇り降り、スクワット。無理のない範囲で色々試しているのだがおしるしも破水も陣痛も来ない。どうしてだ。