完璧美人の私がうっかりスカートを穿き忘れた事がキッカケで恋に落ちた話
真っ黒かと思ったがよく見れば焦げ茶色をしているそのタレ目を見つめ――ハッとした私が慌てて目を瞑る。
いくら驚いたからといっていつまでも目を見開いたままでいると、まるであまり経験がないのだと言っているようなものだから。
“確かに新卒で入社してからはずっと仕事ばかりだったけど……!”
あの元同僚いわく『お高く止まっている』私が、キス一つで動揺してるなんて思われたくない。
というかそもそも誘うような事を言ったのは私なのだ、こんな時こそ大人の余裕を持ち完璧美人の仮面をつけるべきところ――!
「……ふ、ふふっ」
「!」
そう決意した心を砕くように水澄さんが小さく笑い、カアッと一気に顔が熱くなった。
「可愛すぎませんか」
「ちょ、別に私はそのっ」
どこか楽しそうに声を震わせながらそう言った水澄さんにぎゅっと抱き締められる。
ふわりとシトラスの香りが鼻をくすぐりドキリとした。
「……こっち」
ふぅ、と笑いをおさめながら腕を緩めた水澄さんは、再び私の手を取り右側の扉を開く。
「ッ」
そこはリビング――ではなく、彼の寝室で。
「あ、あの、お風呂とか……」
いくら驚いたからといっていつまでも目を見開いたままでいると、まるであまり経験がないのだと言っているようなものだから。
“確かに新卒で入社してからはずっと仕事ばかりだったけど……!”
あの元同僚いわく『お高く止まっている』私が、キス一つで動揺してるなんて思われたくない。
というかそもそも誘うような事を言ったのは私なのだ、こんな時こそ大人の余裕を持ち完璧美人の仮面をつけるべきところ――!
「……ふ、ふふっ」
「!」
そう決意した心を砕くように水澄さんが小さく笑い、カアッと一気に顔が熱くなった。
「可愛すぎませんか」
「ちょ、別に私はそのっ」
どこか楽しそうに声を震わせながらそう言った水澄さんにぎゅっと抱き締められる。
ふわりとシトラスの香りが鼻をくすぐりドキリとした。
「……こっち」
ふぅ、と笑いをおさめながら腕を緩めた水澄さんは、再び私の手を取り右側の扉を開く。
「ッ」
そこはリビング――ではなく、彼の寝室で。
「あ、あの、お風呂とか……」