完璧美人の私がうっかりスカートを穿き忘れた事がキッカケで恋に落ちた話
番外編2
1.デートの定義を考える
明日は週明け仕事の日曜日、朝10時。
“最初は健全な時間のデートで警戒心をとく作戦かと思ったけど……”
結翔と付き合い出してもう何度目かのデートかは忘れてしまったが相変わらず午前集合を基本としていた。
どうやら彼のデートはこの時間がスタンダードらしい。
そしてこの時間から始まるデートにももうすっかり慣れてしまっていて。
「おはようございます、美月さん」
「おはよう」
“今日は映画を観てランチ、その後は……”
事前に話していたプランを思い出しながら彼の隣に並ぶ。
自然と人混みから庇うように半歩前に出た結翔が然り気無く手を繋いできて――
「手、熱いわね」
「えっ! すみませんっ」
ポツリと呟いた私の言葉を聞いた彼がハッとしたように慌てて手を離したが、その離された手を追いかけるようにしてもう一度繋ぐというより握り直す。
「美月さん?」
にぎにぎと確かめるように彼の手に触れ、じいっと彼の顔を見上げて。
「……貴方、今眠たいでしょ」
「へ?」
“うっすら充血した瞳、高い体温……体調は悪くなさそうだから単純に寝不足ってやつね”
“最初は健全な時間のデートで警戒心をとく作戦かと思ったけど……”
結翔と付き合い出してもう何度目かのデートかは忘れてしまったが相変わらず午前集合を基本としていた。
どうやら彼のデートはこの時間がスタンダードらしい。
そしてこの時間から始まるデートにももうすっかり慣れてしまっていて。
「おはようございます、美月さん」
「おはよう」
“今日は映画を観てランチ、その後は……”
事前に話していたプランを思い出しながら彼の隣に並ぶ。
自然と人混みから庇うように半歩前に出た結翔が然り気無く手を繋いできて――
「手、熱いわね」
「えっ! すみませんっ」
ポツリと呟いた私の言葉を聞いた彼がハッとしたように慌てて手を離したが、その離された手を追いかけるようにしてもう一度繋ぐというより握り直す。
「美月さん?」
にぎにぎと確かめるように彼の手に触れ、じいっと彼の顔を見上げて。
「……貴方、今眠たいでしょ」
「へ?」
“うっすら充血した瞳、高い体温……体調は悪くなさそうだから単純に寝不足ってやつね”