完璧美人の私がうっかりスカートを穿き忘れた事がキッカケで恋に落ちた話
「どうしてそんなことになったかは置いておいて、とりあえず今は体調不良が心配です。いつも受付は二人ですよね? 声をかけて早退しましょう」
お姫様抱っこで抱え上げられた私が慌てて彼の体にしがみつく。
下半身を意図的に低く抱えているのは、万一にもスカートを穿いていないことがバレないようにという彼なりの配慮なのだろう。
流石細やかな気遣いが出来ると評判の彼である。
だが、そこに感動している場合ではない。
何故なら彼が、『声をかけて』と言ったからだ。
“スーツで隠れて私がスカートを穿いていないことはわからないけれど”
こんな姿を同僚に見られることはなんとしても避けたい私は、焦って声を荒げた。
「絶対ダメ! こんな失態、彼女たちにだけは知られる訳にいかないの!!」
「で、ですが」
「とにかくダメったらダメ!」
その私の勢いに戸惑いつつ、どうやら何かを察したのだろう。
一瞬考える素振りをした水澄さんが再び口を開いて。
「うーん、まぁ確かに後輩に弱ってる姿を見られるのは恥ずかしいですもんね。では、俺の上司に報告するのはどうでしょうか」
「水澄さんの?」
お姫様抱っこで抱え上げられた私が慌てて彼の体にしがみつく。
下半身を意図的に低く抱えているのは、万一にもスカートを穿いていないことがバレないようにという彼なりの配慮なのだろう。
流石細やかな気遣いが出来ると評判の彼である。
だが、そこに感動している場合ではない。
何故なら彼が、『声をかけて』と言ったからだ。
“スーツで隠れて私がスカートを穿いていないことはわからないけれど”
こんな姿を同僚に見られることはなんとしても避けたい私は、焦って声を荒げた。
「絶対ダメ! こんな失態、彼女たちにだけは知られる訳にいかないの!!」
「で、ですが」
「とにかくダメったらダメ!」
その私の勢いに戸惑いつつ、どうやら何かを察したのだろう。
一瞬考える素振りをした水澄さんが再び口を開いて。
「うーん、まぁ確かに後輩に弱ってる姿を見られるのは恥ずかしいですもんね。では、俺の上司に報告するのはどうでしょうか」
「水澄さんの?」