完璧美人の私がうっかりスカートを穿き忘れた事がキッカケで恋に落ちた話
人が来る前に、とそそくさと更衣室に入りスカートを穿く。
たったそれだけで心が少し安定したので、やはりスカートを穿いていないというさっきまでの状況は思っている以上に心もとなく不安だったのだと実感した。
私服に着替えた私が更衣室から出ると、そこにはまだ水澄さんがいて。
「え、帰ったんじゃなかったの?」
思わずぽかんと彼を見る。
「送るって言ったじゃないですか。あ、これはさっき部長に言ったからじゃなく、久保さんが心配だからですよ」
さらりとそんなことを言いつつ私の手から荷物を奪うように持ってくれ、私に合わせゆっくりと歩き出した。
けれど、いくら助けてくれたからといってこのまま彼に甘えることは完璧美人という仮面を被っている私としては出来ない。
“それに、男なんてどうせ下心しかないし”
先ほどの盛岡部長夫婦の話は確かに素敵だと思ったし、彼が親切心で助けてくれたこともわかっているが、やはりどうしてもこの現状を作った一因でもある副社長が私の中に引っかかったというのも大きい。
「い、いいわよ! 帰るだけだし、電車に乗ればすぐだもの」
たったそれだけで心が少し安定したので、やはりスカートを穿いていないというさっきまでの状況は思っている以上に心もとなく不安だったのだと実感した。
私服に着替えた私が更衣室から出ると、そこにはまだ水澄さんがいて。
「え、帰ったんじゃなかったの?」
思わずぽかんと彼を見る。
「送るって言ったじゃないですか。あ、これはさっき部長に言ったからじゃなく、久保さんが心配だからですよ」
さらりとそんなことを言いつつ私の手から荷物を奪うように持ってくれ、私に合わせゆっくりと歩き出した。
けれど、いくら助けてくれたからといってこのまま彼に甘えることは完璧美人という仮面を被っている私としては出来ない。
“それに、男なんてどうせ下心しかないし”
先ほどの盛岡部長夫婦の話は確かに素敵だと思ったし、彼が親切心で助けてくれたこともわかっているが、やはりどうしてもこの現状を作った一因でもある副社長が私の中に引っかかったというのも大きい。
「い、いいわよ! 帰るだけだし、電車に乗ればすぐだもの」