完璧美人の私がうっかりスカートを穿き忘れた事がキッカケで恋に落ちた話
 そしてあらかじめ用意していたふせんをポケットから取り出した。
 いなかった時のことを考えそのふせんの一枚目には、簡単に先日のお礼と自分の名前と電話番号を書いておいたのだ。

“すぐ戻るようならこのふせんを貼った紙コップに貼ったんだけど”

 残念ながらいつ戻るがわからない以上このコーヒーを置いておくわけにもいかないので、仕方なく捲ったふせんを机の端に貼る。

「連絡、来るといいんだけど」

 このままお礼も言わないのは気持ちが悪いし借りを作ったままというのも気になる。
 だからこそ私はついそんなことを呟きながら、手に持ったコーヒーを口に運んだのだった。
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