完璧美人の私がうっかりスカートを穿き忘れた事がキッカケで恋に落ちた話

6.甘えるのは苦手だけど

 クールで完璧な大人の女。
 変に馴れ合ったりしないそのキャラは案外楽だし、そう見られることに不満はない。

“むしろそう見られたくて頑張ったんだもの”

 馴れ合わないというのは、一歩間違えば協調性がない、なんて評価になってしまう。
 だからこそ慎重に、そして確実に不要なものを排除した。

 甘いコーヒーを好むというギャップもいらないし、家庭的なお弁当……は、そもそも料理が苦手だからいいとして。

“そんな私が最初に排除したものは――……”


 
「わ、あれ最近よく見ますよね」

 何の気なしに呟いた水澄さんの指差す方へ視線を移す。
 そこにあったのはゲームセンターの前に設置されたグッズ入荷の告知看板で、カメレオンをモチーフにしたキャラクターが大きく描かれたものだった。

 その看板を見て、つい目を見開いてしまう。
 
“カクレオンだわ!”

「あれ、子供だけじゃなく結構大人の人も持ってるんですね」
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