完璧美人の私がうっかりスカートを穿き忘れた事がキッカケで恋に落ちた話
“そりゃそうでしょ。カクレオンは少しとぼけたような可愛い見た目と、『隠れたいのに隠れられないカメレオン』というコンセプトが応援したくなると幼児だけでなく仕事に疲れた社会人にもぶっ刺さってるんだから”
 
「あんなに大きく告知されるってことは人気のキャラなんだなぁ」
“カクレオンと色んな企業がコラボしてるのよ、それだけ経済効果があるってことね”

「…………もしかして、お好きなんですか」
「あら、どうして?」

“なんでっ!? 私何も反応してないはずなのに!”
 
 そう、私が自分のイメージのために最初に排除したもの。
 それがまさに『これ』だった。
 

「だって何も言わないから」

 しれっとそう断言した水澄さんにドキリとする。
 
「『さぁ、興味ないけど。』くらい言いそうなのに無言ってことは、嘘がつけないくらい好きなのかなって思いました」
“何その無駄に高い考察力!!”

 内心クッと苦虫を嚙み潰したような顔になるが、それを実際の顔に出すわけにはいかないと頬に力を込めた私は、なんでもないようなフリをして話を続けた。
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