完璧美人の私がうっかりスカートを穿き忘れた事がキッカケで恋に落ちた話
8.成人だから許される
「……って言っても、まだ下心がないって確定したわけじゃないんだから」
妙齢の男女が二人きりでお酒を飲む。
アルコールというものは、時に本人の意思を無視して本能を露にするものだから。
なんて考えながら着替えて玄関ロビーで待っていると、後ろからパタパタと小走りで近寄る足音が聞こえて。
「久保さん、すみません! お待たせしましてっ」
「別にたいして待ってないわ。むしろ走らなくても良かったくらいよ」
“ここで可愛く言えれば良かったんだけど”
同僚のことは全く尊敬してはいないが、ただ事実を告げるだけの私とは違い言い方や話し方が可愛く、その部分だけは見習うべきなのかもしれないなんて思った。
「目当てのお店とかあるのかしら? ないなら、適当に見繕うけど」
「俺が指定していいですか?」
「えっ、えぇ。構わないわ」
お店の希望を聞いたのは私だが、気遣い屋の彼ならどこでもいいと答えると勝手に思い込んでいたせいで水澄さんの返事を聞きギシリと体が固まる。
“もちろんどこだっていいんだけど”
二人きりで仕事帰りに飲む時、しかも対外的には付き合っている相手。
妙齢の男女が二人きりでお酒を飲む。
アルコールというものは、時に本人の意思を無視して本能を露にするものだから。
なんて考えながら着替えて玄関ロビーで待っていると、後ろからパタパタと小走りで近寄る足音が聞こえて。
「久保さん、すみません! お待たせしましてっ」
「別にたいして待ってないわ。むしろ走らなくても良かったくらいよ」
“ここで可愛く言えれば良かったんだけど”
同僚のことは全く尊敬してはいないが、ただ事実を告げるだけの私とは違い言い方や話し方が可愛く、その部分だけは見習うべきなのかもしれないなんて思った。
「目当てのお店とかあるのかしら? ないなら、適当に見繕うけど」
「俺が指定していいですか?」
「えっ、えぇ。構わないわ」
お店の希望を聞いたのは私だが、気遣い屋の彼ならどこでもいいと答えると勝手に思い込んでいたせいで水澄さんの返事を聞きギシリと体が固まる。
“もちろんどこだっていいんだけど”
二人きりで仕事帰りに飲む時、しかも対外的には付き合っている相手。