完璧美人の私がうっかりスカートを穿き忘れた事がキッカケで恋に落ちた話
1.こんな失態ははじめてなんです
「……あ、あは、あははっ」
人はあまりにも受け入れられない現実を目の当たりにした時、こんなにも乾いた笑いが溢れ出るのだと私はこの時はじめて知った。
――――そう、私は今、スカートを穿いていないのだ。
「あは、はは……あぁぁ……」
“嘘でしょ……、どこの痴女なのよ”
目を逸らしたい現実。
そのあまりにもあり得ないこの状況のせいか、ガンガンと頭が痛くて仕方ない。
「久保さん、どうかされましたか?」
「あっ、早川さん」
私の笑い声を聞き怪訝に思ったのか、警備員の早川さんが心配そうに様子を伺いに来てくれた。
「いえ。特に問題ありませんよ」
「そうですか……? うーん、けど少し顔が赤いようですよ。体調が悪いのでは」
「いえいえ、ほんと大丈夫です」
“スカート穿いてないだけなんで!”
百パーセント善意の表情を向けられ、少し罪悪感を感じながら両手を顔の前で振ると、それでもまだ心配そうな顔をしながら早川さんは玄関ロビーの方へ戻る。
そんな早川さんの後ろ姿を見ながら彼が仕事熱心でよかった、と思った。
人はあまりにも受け入れられない現実を目の当たりにした時、こんなにも乾いた笑いが溢れ出るのだと私はこの時はじめて知った。
――――そう、私は今、スカートを穿いていないのだ。
「あは、はは……あぁぁ……」
“嘘でしょ……、どこの痴女なのよ”
目を逸らしたい現実。
そのあまりにもあり得ないこの状況のせいか、ガンガンと頭が痛くて仕方ない。
「久保さん、どうかされましたか?」
「あっ、早川さん」
私の笑い声を聞き怪訝に思ったのか、警備員の早川さんが心配そうに様子を伺いに来てくれた。
「いえ。特に問題ありませんよ」
「そうですか……? うーん、けど少し顔が赤いようですよ。体調が悪いのでは」
「いえいえ、ほんと大丈夫です」
“スカート穿いてないだけなんで!”
百パーセント善意の表情を向けられ、少し罪悪感を感じながら両手を顔の前で振ると、それでもまだ心配そうな顔をしながら早川さんは玄関ロビーの方へ戻る。
そんな早川さんの後ろ姿を見ながら彼が仕事熱心でよかった、と思った。