完璧美人の私がうっかりスカートを穿き忘れた事がキッカケで恋に落ちた話

エピローグ:もう、戦場じゃないようで

 あの後、その騒ぎのせいで勤務時間を過ぎても受付に誰もいないという状況が起きたことで私と同僚二人は人事に呼び出された。


 騒ぎを起こした自覚も、自分の勤務時間が来ても持ち場にいなかったのも自分の責任。

“まだお客様が来られる時間には余裕があったからって、仕事放棄は社会人失格だわ”

 そう反省した私とは違い、どうやらまだ罪を私に擦り付けられると思っていたのか同僚があざとく涙を浮かべながら弁明しようとしていたのだが――



「怒られました?」
「まぁ、持ち場に居なかった点はね」
「あとの人たちは?」


 仕事終わりの午後20時。
 目の前には速さがウリで並べられたやみつききゅうりやポテトサラダにだし巻き卵が並べられていて。
 
 そして私と、水澄さんの前にはビールがそれぞれ置かれていた。

“こうやって水澄さんと飲むのはじめてね”

 今日は金曜日。
 先日の一件を肴に私たちは会社近くの居酒屋にいた。


「実は給湯室の会話、録音してたのよね」
「へぇ、あんなに怒ってたのによく冷静にそんなことできましたね、格好いいですよ」
「私を怒らせたくて言ってるのよね!?」
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