【コミカライズ】「石油王にオレはなる!」 ~極上(プラチナ)御曹司と溺愛出張いってきます!!~
「ほら、あれだ。石油の権利を持っていれば何かと便利だろう」
「それはもちろんですが、油田オーナーならともかく、石油王となると国籍からして無理ですよ」

 詳しくは知らないけれど、石油王となると中東のアラブ諸国を思い浮かべてしまう。でも、これまでも彼は無理と思われることを実現してきた男だ。——嫌な予感がする。

「まさか、日本人を辞めるとか」
「それは最後の手段だ。まずは金で解決できることから進めよう」

 金持ちであることを自覚している放漫な御曹司様は、これだからっ! 

そんな私に構うことなく、彼は社長専用の電話の受話器を持ち上げようとした。私は思わず立ち上がり、キッと睨み上げる。

「社長! 私は反対ですっ!」
「なぜだ」

 ここで単に仕事が増えるのが嫌だからと言えればいいのだけれど。私はそこまで鉄の心臓を持っていない。

「しゃっ……社長がこれ以上忙しくなると、っ、寂しくなるからですっ」

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