派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。
「犯人がいるとしたら、その人物は授業中にレフェイラさんに近づけた人物だ。クラスメイトのいる中で、見られないように魔法を使うためには、そうする必要がある」
「授業では、四人組を組んでいたわね。その四人組の中に、犯人がいるのではないかしら?」
「その可能性もある……ああ、でも、僕が余計なことをしたせいで、あの時の授業は滅茶苦茶になっていた。あの騒動の中でレフェイラに近づいていたとしても、不思議じゃない」

 レフェイラに近づく隙は、授業中にいくらでもあった。クラスメイトの誰でも、彼女と接触することは可能だっただろう。
 事前に打ち合わせておけば、近づいて魔法を使えば、それで終わりだ。

「ああ、でも、あの戦いの最中で魔法を使えば、それは検知されるのかな?」
「いいえ、あの戦いの中で、多くの人達は魔力を使っていたと思うわ。二人の戦い……というよりも、あなたの攻撃が激しかったから、思わず魔力で体を守った人は少なくないの」
「……益々、僕は余計なことをしていたみたいだね」

 実技の授業中であることから、魔力を使う機会は多い。そこに紛れて魔法を使ったのなら、それはまったく手がかりが残らないだろう。
 学園の魔力の検知は、魔力の検知しか行わない。どんな魔法を使ったかまでわからないため、それで判断することはできないだろう。
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