派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。
 レフェイラが使った三つの魔法。その中の明確になっていない一つの魔法。それは、一体なんなのだろうか。
 教師の推測通りという可能性も充分ある。そうだとしたら、それはそこまで気にする必要がないことだろう。
 だが、メルティナの言っている通り、それはとても重要なことかもしれない。彼女の協力者、もしくは操っていた者を知る手がかりになるかもしれないのだ。

「気になることは、色々とあるわね……」
「ええ、そうですね……」
「……これを私達だけに留めておく訳にはいかないわね。先生達に言った方がいいかしら? でも、信じてもらえるかは、少し怪しい所だけど……」

 気になることはたくさんあった。それを私達だけで全て調べることは、中々に難しい。
 そもそも、この事件の真実が別にあるのだとしたら、それは私達だけに留めておくべきことではないだろう。そのため、教員達に知らせる方がいいはずだ。
 しかし、教員達が私達の話を真剣に受け止めてくれるかは、少し怪しい所である。
 事情聴取の際に思ったが、この魔法学園の教員達はそういったことへの意識が、少し低い気がする。なんとなく、ことを大きくしたくないといような雰囲気があるような気がするのだ。
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