派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。
「まあ、偏見を持ってはいけないわね。私の印象でしかないし、話してみたらわかってくれるかもしれないし……」
「アルフィア嬢、もし心配があるなら、兄上を頼るといい」
「え?」
「兄上なら、教員達からの信頼も厚いし、上手く話を伝えてくれる。きっと、教員達も聞く耳を持ってくれるだろう。まあ、兄上を納得させる必要はあるが、それは今の話をすれば、多分問題ないだろう」

 そこで、ドルキンスがそのようなことを言ってきた。
 ディゾール様を頼る。それは、とてもいい案だと思えた。
 ドルキンスの言う通り、彼の方が教員達からの信頼は厚いはずだ。少なくとも、私達が言うよりも確実に効果はあるだろう。

「わかったわ。それなら、ディゾール様に掛け合ってみる」
「ああ、そうしてくれ」

 私の言葉に、ドルキンスはゆっくりと頷いた。それは、とても明快な様子だった。
 だが、私は一つのことを悟る。彼は、ディゾール様と話し合う気はないのだと。
 しかし、彼にも色々とあるのだろう。そこは、私達が介入するべきではない領域である。
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