派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。
「それで、お前達はここに来たという訳か」

 私とメルティナは、生徒会室まで来てディゾール様に事情を説明していた。全てを聞いて、彼は考えるような表情をしている。私達の説明を吟味しているのだろう。
 私達の考えは、推測に過ぎない。だが、学園でも随一の才能を持つメルティナやキャロムの推測である。それなりの説得力はあるはずだ。

「なるほど、どうやら、考えることは同じだったようだな」
「考えることは同じ?」
「その推測なら、俺から既に教員達に伝えておいた。俺もお前達と同じ推測をしたからだ」
「なっ……」

 ディゾール様の言葉に、私とメルティナは驚いた。まさか、ディゾール様が同じ推測をしていたとは思っていなかったからである。
 だが、考えてみれば、彼も学園の中で随一の才能を持つ者の一人だ。そんな彼なら、一人でその結論まで辿り着いてもおかしくはないのかもしれない。
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