派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。
「教員達は、念のために捜査すると言っていたが、本当の所は怪しい所だ。奴らは、ことを荒立てたくないと思っている。レフェイラ・マグリネッサ伯爵令嬢が犯人、それで終わらせられるならいいとそう思っているだろう」
「そ、そんな……」
「ふん、奴らなど所詮その程度のものだ。面倒なことは避ける。それが、この王立魔法学園のやり方だ」

 どうやら、教員達は当てにならないようだ。教員達からの信頼も厚いディゾール様が言っても駄目だった。ということは、他の誰が言っても教員達は動いてくれないだろう。
 それは、少し困ったことである。生徒達よりも力を持った教員達が動いてくれないと、犯人を捜すのはかなり困難なはずだ。

「だが、所詮奴らなど元々当てにはならなかっただろう。この俺やお前達にわかる程度のことがわからなかった連中だ。そんな奴らに真犯人が見つけ出せる訳もない」
「き、厳しいですね……」

 ディゾール様は、私の考えとは正反対の考えだった。元より、彼は教員達をあてにしてなかったようだ。
 その辛辣ともいえる意見は、彼らしいといえば彼らしい。この厳しさこそが、ディゾール様なのだ。
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