派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

第三章

 私とメルティナは、廊下を歩いていた。
 色々とあったが、とりあえず黒幕を探すための手筈は整った。これで、後は実際に行動に移すだけだ。

「ふう……」
「メルティナ、大丈夫?」
「あ、ええ、大丈夫です……」

 そこで、私は横にいるメルティナの様子に気づいた。彼女は、かなり疲れているようだ。
 そういえば、彼女は今日、キャロムと試合をして、レフェイラの取り巻き達と言い争って、レフェイラを追いかけてと色々なことがあった。その疲労は、かなりのものだろう。
 これは、早く部屋に戻った方がいいのではないだろうか。ゆっくりと休まないと倒れてしまいそうである。

「アルフィアさん、メルティナさん」
「え?」

 私が色々と考えていると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。これは、バルクド様の声だ。

「バルクド様、それにリオーブ様も……」
「お二人とも、ご無事ですか?」
「バルクド、そんなに大きな声を出すんじゃない。二人とも、疲れているはずだ」
「あ、すみません……」

 振り返ると、そこにはバルクド様とリオーブがいた。どうやら、二人とも授業が終わったようである。
 私達は、事情を聞くために午後の授業には参加しなくていいことになった。だが、直接かかわっていない人達は、普通に授業を受けていたのである。
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