派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。
「時が巻き戻っているということに関しても、同じですね……僕には、その時の記憶がありませんから、よくわかりません……事件にも、関わっていない訳ですし」
「そうですよね……」
時が巻き戻った事実に関しても、私のことと同じような感想しか抱いていないようだ。
やはり、自分が覚えていないというのが、重要なのだろう。それに対して、何かを考えるのは、難しいことなのだ。
「……ただ、この学園で事件が起きていて、それにあなた達が巻き込まれていたという事実には、はっきりとしたことがいえます。あなた達を助けたかったと……」
「バルクド様……」
「あなたを守りたかった。リオーブを助けたかった。婚約者や親友やクラスメイトが苦しんでいるというのに、それに気づかずにのうのうと暮らしていた自分が、嫌になります」
バルクド様は、事件に対してだけははっきりとした意見を述べてくれた。
彼は、優しい人である。だから、こんな風に私達を助けられなかったことを後悔しているのだ。
だが、それは必要がないことである。何も知らせなかったのは、私達なのだから。
「バルクド様が責任を感じることではありません。私達は、何も言いませんでした。あなたがそれを知ることなんて、できなかったのですから……」
「……わかっています。でも、もし気づけていたなら……いえ、僕なんて役に立たなかったのかもしれませんが、それでも何かできたのではないかと、そう思ってしまうのです」
「そうですよね……」
時が巻き戻った事実に関しても、私のことと同じような感想しか抱いていないようだ。
やはり、自分が覚えていないというのが、重要なのだろう。それに対して、何かを考えるのは、難しいことなのだ。
「……ただ、この学園で事件が起きていて、それにあなた達が巻き込まれていたという事実には、はっきりとしたことがいえます。あなた達を助けたかったと……」
「バルクド様……」
「あなたを守りたかった。リオーブを助けたかった。婚約者や親友やクラスメイトが苦しんでいるというのに、それに気づかずにのうのうと暮らしていた自分が、嫌になります」
バルクド様は、事件に対してだけははっきりとした意見を述べてくれた。
彼は、優しい人である。だから、こんな風に私達を助けられなかったことを後悔しているのだ。
だが、それは必要がないことである。何も知らせなかったのは、私達なのだから。
「バルクド様が責任を感じることではありません。私達は、何も言いませんでした。あなたがそれを知ることなんて、できなかったのですから……」
「……わかっています。でも、もし気づけていたなら……いえ、僕なんて役に立たなかったのかもしれませんが、それでも何かできたのではないかと、そう思ってしまうのです」