派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。
「あれは全部、私の作り話……そういうことだったの?」
「いえ、そんなことはありませんよ」
「……え?」

 ゆっくりと呟いた私の言葉に、返答があった。
 その声に、私は困惑する。それは、聞き覚えのあるその声が、聞こえてくるはずがない人物のものだったからだ。

「……バルクド様?」
「お久し振りですね、アルフィアさん……おっと、あなたはアルフィアさんではないのでしたね……」

 振り返った先にいたのは、バルクド様だった。こちらの世界に、『Magical stories』のバルクド様がいたのである。
 そして、私はさらに驚くことになった。なぜなら、その場にいたのはバルクド様だけではなかったからだ。

「アルフィアではないか……なんというか、ややこしいものだな」
「リオーブ様、ややこしいとはいっても、アルフィア様は本来、こちらの世界の人なのですから……」
「おお、こっちの世界でのアルフィア嬢も、変わらず麗しいな。そう思わないか、キャロム君?」
「え? いや、まあ、そうかもしれないけど……よくそんな恥ずかしいことを堂々と言えるね?」
「……昔から、こいつはそういう奴だ」

 私の目の前には、皆がいた。『Magical stories』の世界で出会った人達が、私の目の前にそのまま現れたのである。
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