派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。
 私は、自室にメルティナとアルフィアとファルーシャを集めていた。
 リオーブから、アルフィアとファルーシャが色々と落ち込んでいると聞いた私は、一度皆で集まって話すことにした。
 といっても、二人には何も話していない。今回、私は女子会という名目で、二人を集めたのだ。
 一応、メルティナにはその旨を伝えている。彼女は、快く協力してくれると言ってくれた。

「……」
「……」
「……」
「……」

 しかし、私は困り果てていた。なんというか、思っていたよりも場が盛り上がっていないからである。
 せっかく集まったというのに、私達は何故か会話を交わしていない。重苦しい空気が、辺りに流れているだけだ。

「えっと、本日はお集まりいただきありがとうございます……」

 私は、思わずそんな風に切り出していた。だが、それが間違いであるとすぐに気づいた。友達同士が集まって、こんなことから話が始まるなんてあり得ない。もっと気さくな挨拶をするべきだっただろう。
 というか、よく考えてみれば、このメンバーというのはそんなにいい集まりであるとはいえないのかもしれない。特にアルフィアなんかは、メルティナがいて楽しそうに話すのは難しい可能性がある。罪悪感などがあるからだ。
 もしかして、私は人選を間違えたのだろうか。個々で話した方が良かったのかもしれない。
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