派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。
「お二人とも、ひどいです。人の視線を怖いだなんて……そもそも、注意して欲しいと頼んできたのは、アルフィア様ではありませんか」
「それはそうなんだけど……」
「シズカさんも、納得しないでくださいよ」
「で、でも、メルティナの気迫は知っているし……」

 メルティナは、私とアルフィアに対して怒っていた。
 それで、私は理解する。メルティナとアルフィアの間には、それ程確執がある訳ではないのだと。

「……」

 そこで、私はファルーシャがことらになんともいえない視線を向けていることに気がついた。
 恐らく、この会話に入ることができないのだろう。確かに、今私達は彼女を抜きにして少し盛り上がっている。
 しかし、ファルーシャに今どう思うなどと聞くことはできない。優しい彼女は、そんなことを聞くと動揺するはずだからだ。

「そういえば、前から気になっていたんだけど……シズカ、あなたってこの世界の身分とかを気にしているの?」
「え?」
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