派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。
「でも、思うのよ。私と彼女達の繋がりというものは、実の所そこまで深いものではなかったのではないかと……」
「そうなの?」
「ええ、だって、私は彼女達と対等とはいえない関係だったもの。自分で言うのも変だけど、あの子達は私の取り巻きだった……友達ではなかった」
「アルフィア……」

 そこで、アルフィアは悲しそうな目をしていた。
 その目を見て、私は思う。もしかしたら、彼女は取り巻き達とそういう関係になりたかったのかもしれないと。

「あの……こんなことを言ってフォローになるかはわからないけど……」
「何かしら?」
「私は、アルフィアのことを友達だと思っているよ」
「……そう、それはありがとう」

 私の言葉に、アルフィアは少し照れていた。どうやら、彼女は喜んでくれているようだ。
 それに、私は少し安心する。公爵令嬢の彼女にこんなことを言うのは、少し失礼かもしれないと思っていたからだ。
 私は、彼女のことを友達だと思っている。変な話かもしれないが、そう思っているのだ。
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