派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。
 私は、メルティナ、アルフィア、ファルーシャの三人と談笑していた。
 最初は重苦しい雰囲気だったが、今はすっかり明るい雰囲気である。お互いに色々と打ち明けたおかげで、和気あいあいとできるようになったようだ。
 そんな中、私は最初の目的を思い出していた。そういえば、私はアルフィアとファルーシャが元気にするために、この会合を開催したのだと。
 二人は、元気になってくれているだろうか。今の雰囲気なら大丈夫だとは思うのだが、それは少し心配である。

「そういえば、あなたは最近、キャロムやドルキンスと訓練しているそうね」
「え? うん、そうだよ」
「実際の所、あの二人とどうなの?」
「どうって?」
「この質問で、わからないの?」

 そこで、アルフィアはそんな質問をしてきた。
 あの二人とどうなのか。その質問の意図を、私は最初理解できなかった。
 だが、彼女の言葉でなんとなくわかってきた。それは要するに、恋愛関係の質問ということなのだろうか。

「別にどうもこうもないよ」
「そうなの?」
「うん。まあ、仲は良いけど、ただの友達というか……」
「なんだ。案外つまらないものなのね」

 私の答えに、アルフィアは不服そうにしていた。彼女としては、もっと面白い答えが望みだったのだろう。
 だが、実際の所、私は別にあの二人と何かある訳ではない。ただの友達なのである。
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