派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。
「……というか、そういうアルフィアの方はどうなっているの?」
「え?」
「あ、いや、なんでもないよ」

 思わず素朴な疑問を口にしてしまった私は、自分の間違いに気づいた。よく考えてみると、この場でそれを聞くのはとてもまずかったのである。
 なぜなら、彼女とメルティナとバルクド様の関係は、とても複雑だからだ。
 アルフィアは、バルクド様のことを思っていたが、彼とメルティナが結ばれた。それが三人の関係性である。その内の二人がここにいるというのに、それを聞くのはとてもまずかったのではないだろうか。

「別に、気にしなくてもいいわよ。その話には、もう決着がついているから」
「え?」

 焦っていた私に対して、アルフィアはそのように言ってきた。その表情は、晴れやかだ。
 それに対して、メルティナは複雑な表情を浮かべている。なんというか、対照的な表情だ。

「まあ、この話の流れだし、そのことも話しておくべきよね。考えてみれば、あなたには伝えておくべきことだった訳だし……メルティナ、いいわよね?」
「ええ……」

 アルフィアの言葉に、メルティナはゆっくりと頷いた。どうやら、二人とバルクド様の間に何があったかを教えてもらえるようだ。
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