派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。
 恋愛ゲームには、様々なルートがある。ゲームをプレイする人の選択によって、物語は違う結末を迎えるのだ。
 だが、彼女の結末に関しては、そのほとんどが死に繋がっている。国外追放、あるいは極刑。その罪を暴かれた彼女は、とても重い判決を下されるのだ。

「それは、できれば避けたいことよね……」

 当然のことながら、私は国外追放や極刑などといった残酷な結末を迎えたいとは思っていない。
 これから私が、あのゲームと同じような道を歩んで行くのかはわからない。だが、もしそうならば、そういった末路は絶対に避けたい所だ。

「ただ……私も、そこまでよく知っている訳じゃないのよね……」

 しかし、その末路を避けるためには少し問題があった。それは、私がアルフィアの末路の全てを知っている訳ではないということである。
 実の所、私は『Magical stories』の全てのルートをプレイした訳ではない。バルクド・エルキディスのルートしかクリアしていないのである。
 これは、私の恋愛シミュレーションゲームをする時の悪い癖のようものなのだが、私は一つのルートをクリアすると、他のルートをしないことが多いのだ。なんというか、それで満足してしまうというか、やる気がなくなってしまうというか、そういうことがあるのだ。
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