派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。
「答えていただけませんか? あなたが何者なのかを……その答えは、私にとってとても大切なことなのです」
「そ、それは……」
「……あなたのことは、悪い人だとは思っていません。ただ、あなたがアルフィア様の姿をしていることに対して、私は色々と思う所があるのです」
「思う所……?」

 メルティナは、とても真剣な表情をしていた。何かの決意を秘めたその瞳に、私は圧倒されてしまう。一体、何が彼女をそこまで駆り立てているのだろうか。

「……私には、前世の記憶があるわ。こことは違う世界……日本という国で暮らしていた記憶があるの」
「違う世界……」
「その世界では、この世界のことがゲーム……まあ、物語として記されていたの。そこでのアルフィアは、あなたの言うような人間だったわ」
「物語として? そんなことが……?」
「結果として、アルフィアは破滅することになった。その末路を見ていたから、私は彼女とは異なる行動をしようと思ったの。まあ、元々価値観も違ったから、どの道彼女のように行動することはなかったと思っているけど……」
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