派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。
 私は、メルティナに自分の事情を話すことにした。
 今までは、こんなことを言っても頭がおかしいと思われるだけだと考えていたため、誰にも言わないようにしていた。だが、この状況なら言ってもいいと思ったのだ。
 メルティナは、アルフィアを知っている。そんな彼女なら、私のこの突拍子もない主張も信じてもらえるかもしれない。

「……なるほど、わかりました。教えていただき、ありがとうございます。どうやら、あなたは私が求めている答えを持っている訳ではないようですね」
「あなたが求めている答え? それは、一体?」
「……次は、私の事情を話しましょう。少し長くなるかもしれないのですが、構いませんか?」
「ええ、大丈夫よ」

 メルティナは、神妙な顔をしていた。これから彼女が話すことも、きっと他人が信じられないようなことなのだろう。

「私には、記憶があります。といっても、あなたのように違う世界の記憶という訳ではありません。この世界で過ごした記憶があるのです……この世界で生まれて、この学園で一年間を過ごした記憶が……」
「この世界の記憶……?」
「ある時……この魔法学園で一年を過ごしたある時、私の時は巻き戻りました。人生を再びやり直すことになったのです」
「そんなことが……」
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