派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。
「ごめんなさい、続けてもらってもいいかしら?」
「あ、はい……」

 話を止めてしまったので、私はメルティナに続きを促した。
 アルフィアがかつてこの世界にいたというのはとても気になることだ。だが、今はまず彼女の話を聞くべきだろう。

「えっと……あなたには、少し言いにくいことなのですが、私はその記憶において、一人の男性と恋愛関係にありました。その……バルクド様と」
「え? バルクド様と……?」
「……はい」

 メルティナは、少し躊躇いながらも、とんでもないことを言ってきた。バルクド様と恋愛関係にあった。それは、それなりに衝撃的なことである。
 しかし、それはとても腑に落ちることだった。彼女が彼と会った時、とても妙な反応をした理由がわかったからだ。

「まあ……彼とは親同士が決めた婚約者だし、それ以前に、私はあなたと彼が恋愛関係にあったゲームをプレイしていた訳だし……そのことについては、別にそんなに気にしないでいいわ」
「そ、そうですか……」
「それよりも、話の続きを聞かせてもらえるかしら? まだあなたが求めている答えというのが、どういうものなのか、教えてもらっていないもの」
「ええ、もちろんです。そのために、ここまで話を進めてきましたから」
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