派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。
 私が前世の記憶を自覚したのは、物心がついてすぐだった。そして、自分がアルフィアで、この世界がゲームの世界と同じだと気づいたのもその時である。
 だが、それに確信が持てたのは、つい最近のことだ。それまでは、まだここがゲームの世界であると断言できる自信を持っていなかったのである。
 しかし、あることから、私は自分の推測を確信へと変えた。その要因とは、アルフィア・セントルグの婚約者である。

「アルフィアさん、どうも、こんにちは」
「はい、こんにちは、バルクド様」

 今私の目の前にいるのは、バルクド・エルキディス様。この国の第四王子であり、私の婚約者である人物だ。
 この人物の名前も顔も、私には見覚えがあった。『Magical stories』の登場人物と同じだったのである。
 私は、今まで自分以外にゲームの登場人物を見たことはなかった。そのため、確信が持てなかったのだ。
 しかし、バルクド様の存在に寄り、それは確信に変わった。流石に、二人もゲームの登場人物がいて、その立場も同じであるのだから、ここが『Magical stories』の世界であることを疑う余地はないだろう。
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