相思相愛・夫婦の日常~マオさん♡ヒメさん編~
真皇に食べさせてもらいながら、だんだん姫華は申し訳ない気持ちになる。

真皇はまだ、一口も食べていないからだ。

「マオさん」
「はい」

「マオさんも食べてください!」
「ヒメさんが食べたら、食べますよ!」

「………」
「はい、ヒメさん!あーん!」

「………」
口を開けずに、真皇を見つめる姫華。

「ヒメさん?もう、お腹いっぱいですか?」

「…………マオさん」
「はい」
鋭い視線の姫華。

「ダメですよ!」
「え?
ヒメさん、なぜ怒ってるんですか?」

「マオさんのポトフ、冷えちゃったじゃないですか!?
確かに、抱っこして食べさせてもらう約束しましたが、こんなの……」

「ヒメさんを甘やかすのは、俺だけの特権です」

「…………え?」

「ヒメさん、言ってましたよね?
心を許せる人にしか、甘えないって」
「あ、はい」

「俺、本当に嬉しいんです!
ヒメさんの特別になれてるってことだから!
出逢ったあの日から、ヒメさんが大好きなので!」

「マオさん…////」
「だから、あーん!です!」

姫華が口を開ける。
嬉しそうに真皇が食べさせた。

姫華が食べ終わり、真皇が食べ始める。
(姫華を足の間に挟んだ状態で)
「マオさん、私もあーんしてあげたいです」
振り向き言う。

「フフ…はい!
あーん!」
「あーん!」
真皇が大きく口を開け、姫華が食べさせる。

「フフ…我ながら、美味しいです!」
「フフ…マオさん、可愛いです!
……………」

真皇に微笑み、不意に真顔になる。
そして、そのまま抱きついた姫華。

「ん?ヒメさん?」
「マオさん」
「はい」

「さっき言ってくれたマオさんの気持ち、スッゴく嬉しかったです」
「フフ…はい!」

「でも、やっぱり…甘えすぎはダメです」
「ヒメさん…」

「でも私、きっと自分では止まられないと思うんです。
マオさんに甘えすぎちゃうってゆうか、ワガママ言っちゃうってゆうか……」

「………」

そして、顔だけ上げ見上げた姫華。
「だから、マオさんが“ダメ!”ってブレーキかけてくれないと!
ダメダメな奥さんになってしまいます。
そんなの、嫌です!
━━━━━私は、マオさんの自慢の奥さんになりたいので!」

真皇は優しく微笑み、姫華の頬に触れた。
「今でも十分、ヒメさんは俺の自慢の奥さんですよ!」

「え?」

「可愛くて美人。
仕事バリバリで、強くて、真っ直ぐ。
確かに俺には甘えん坊ですが、いざという時は俺を守ろうとするくらい頼もしい。
その証拠に、俺、ヒメさんだけなんですよ?
敬語で接するの」

「え……?」
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