相思相愛・夫婦の日常~マオさん♡ヒメさん編~
「マオさん、さすがに重いですよね?」
またしばらくして、姫華がポツリと言う。

「でも大丈夫ですよ」

「退かなきゃって思うんですが……
幸せで……
うーマオさーん!!好きです~!!」

「俺も大好きです!
なので、ヒメさんが気の済むまで良いですよ!」

「でも、重いですよね?」

「うーん…重くないわけではないです。
いくらヒメさんが小柄でも、人間を乗せてるわけですからね(笑)」

「そうですよね(笑)」

「でもどうしてかな?
例え足が痺れても、乗せていたいと思うんです……!
それくらい、ヒメさんが愛おしいってことでしょうね!(笑)」

「そうゆうものですか?」
「そうゆうものです!」

「そっか!
じゃあ、あと五分だけ!
その代わり、ギューしましょ?」
「フフ…はい!」
抱き締め合っていると、姫華のスマホの着信音が鳴り響いた。

「ん?
━━━━━━」
姫華の表情が、分かりやすくキリッと引き締まった。

この表情を見て真皇は“会社からの連絡だ”と察する。
「マオさん、すぐに終わらせますからね」
そう言って、膝の上から下りた。

先程まであんなに下りることを渋っていたのに、こんなにも簡単に離れていってしまう。

膝が、急に酷く痺れだした。

窓際で立って、なにやら難しい話をしている姫華。
表情もかたく、近寄りがたい雰囲気だ。


「━━━━━うん、それでお願い。
また、纏まったら連絡くれる?」

「………」
(は?また、かけてくるのか?
今日はヒメさん、休みだぞ?
なぜ、仕事をさせようとするんだ!)

通話を切った姫華が、微笑み戻ってくる。
「マオさん!
━━━━━━ん?マオさん!!」
「え?」

()()
怖い顔してますよ?
あ!足、痺れて痛いですか!?」
「え?あ…」
慌てたように真皇の膝をさする、姫華。

「ごめんなさい!ごめんなさい!
痛いですよね」

「………」
(違う!!俺がしてほしいのは━━━━━━)

「ヒメさん」
「え?
あ、触らない方がいいですか!?」

「違います。
キス、してください」

「え?」

「早く!早くしてください!」

「あ、は、はい!
でもなんか、マオさん様子が━━━━━ンンン…!!」
真皇は待ちきれなくて、食らいつくように姫華の口唇を奪った。

夢中で貪る。
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