相思相愛・夫婦の日常~マオさん♡ヒメさん編~
真皇は“運命”としか思えなかった。


あんなに運命を否定していたのに、まるで導かれるように姫華に釘付けになり、引き寄せられるように恋に落ちている。

これを“運命”と呼ばず、何と呼ぶのだろう。

そして姫華も、自分に“運命”を感じてくれていることは手に取るようにわかった。

姫華が見上げてくる眼差し、想いが溢れる言葉、弾む声、優しく熱い手。

全て、自分が姫華に向けているモノと同じで“愛情”が感じられた。


俺が見つけた、最愛の人。

絶対に、誰にも、渡さない━━━━━━━




「━━━━さん!
んんっ…っ…マオさ…!!」

「………っ…え……!?」

気づくと、真皇はソファに姫華を押し倒していた。
姫華の服ははだけていて、首や鎖骨、胸にキスマークのような赤い内出血があった。

そして……姫華が泣いていた………

「うぅ……マオさ…言うこと、何でも聞きますから…お願…も…こんなの…やめて、くださ……」

「ご、ご、ごごごごめんなさい!!!!
俺は、何てことを━━━━ごめんなさい!
ヒメさん、ごめんなさい!!!」

慌てて姫華を起こし、自身が着ていたパーカーを姫華の肩にかけた。
そしてソファの下に土下座をして頭を下げながら、必死に謝罪を繰り返す。

すると姫華も、ソファの下に座り「頭、上げてください」と言った。

「あ…ヒメさ…」

「マオさん?」

「は、はい!」

「“いつもの”マオさん?」

「はい!!」

「…………あ…良か…良かっ…た……」
ホッとしたように息を吐く、姫華。

「あ…あ…ヒメさん…ごめんなさい!!」

「もう、いいですよ。
大丈夫です」

「ごめんなさい!!」

謝る言葉しか出ない。
取り返しのつかないことをしてしまった。
宝物のように大切な姫華を、傷つけてしまった。

とにかく許されたくて、真皇は謝罪の言葉を繰り返していた。

「マオさん」

「はい!」

「ギュッてしてください」

両手を広げてくる姫華に、吸い寄せられるように抱き締めた真皇。
「マオさ…マオさん……」
「ヒメさん…ごめんなさい…」

「怖かったです…」
「そうですよね…本当にごめんなさい…!」

「でも、好きです」
「え……ヒメ…さん……/////」
姫華を離し、向き直る。

「それでも、マオさんが好きです!
どんなマオさんでも、私は大好きです!」

姫華の言葉に、真皇は微笑み包み込むように抱き締めた。
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