相思相愛・夫婦の日常~マオさん♡ヒメさん編~
『━━━━もしもし?マオさん?
どうしたのー?』

「風谷、お願いがある」

『え?どうしたの!?
マオさんが俺にお願いなんて!
なんか、逆に怖いね(笑)』

風谷にGWの話をする。
どこか、あいてる旅館を知らないかと。

『へぇー!つまり、組の力を使って探せってことね!』

「まぁ、簡単に言えばそうだな。
旅館自体はあるんだ。
でも部屋風呂となるとな……
俺は、刺青を彫ってるからな」

『大浴場には入れないもんね(笑)
いいよ。
でもぉー、その代わりぃ』

「ヒメさんには会わせないぞ」

『バレてる……(笑)』

「当たり前だ。お前の考えてることなんて、手に取るようにわかる」

『てか、お願いされてるのは俺の方なんだけどぉー』

「普通に会わせるだけなら構わない。
でもお前は、面白がるだろ?」

『わかった、わかりました!
用意しておきまーす!
また連絡するよ!』

「ありがとう」


そして、姫華の元へ足早に戻った。


一方の姫華は、ナンパをされていた。
しかし、相手は姫華だ。

「ねぇねぇ、無視しないでよ!」

「しつこいです!」

「可愛いね!」

「そうですか?」

「お茶しようよ!」

「嫌です」

「えー!どうせ暇でしょ?」

「いえ、忙しいです」

「どう見ても、暇そうじゃん!」

「………」

「ねぇねぇー」

「………」

「無視すんなって!」

「………あの、察してくれません?
それとも、わかんないんですか?」

「は?」

「迷惑ですし、鬱陶しいです」

「フフ…はっきり言うね~!」

「だって、はっきり言わないとわからないみたいなので」

「お姉さん、面白い!益々気に入った!
ねぇ、行こうよ!
そこに車止めてるからさ!」
手を掴まれる。

「は?ちょっ…」
グッと引っ張られた。
さすがの姫華も、抵抗できなくなる。

すると、更に強い力で反対に引き寄せられる。
「え?あ…マオさん!!」

「ヒメさん、遅くなってごめんなさい!」
姫華を腰を包み込むように抱き、頬に触れ微笑む。

「いえ!良かった!」

「ヒメさん、こちらは誰ですか?」

「知らない人です」

「そうですか。
━━━━━━で?俺の女になんか用?」

凄まじい雰囲気と、低く鋭い声と言葉。
それだけで、殺されそうな程に。

「え、あ、い、いえ!」

「随分と仲良さげに話しかけていたようだが?」

「す、すみません!!!」
そう言って逃げるように去っていった。
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