相思相愛・夫婦の日常~マオさん♡ヒメさん編~
「…………ヒメさん、大丈夫ですか?」

「はい!全然、大丈夫です!」

「ヒメさん」

「はい!」

「ナンパされたら、大声で助けを求めてくださいね!」

「ナンパ?」

「はい。ナンパ」

「私、ナンパされてませんよ?」

「は?
でも、今……」

「え?あれ、ナンパだったんですか!?」

「じゃあ、なんだと思ったんですか!?」

「それはわからないですが……
………………てことは、いつものあれ、ナンパだったんだ………」

「は?」
思わず呟く姫華に、真皇は雰囲気を黒くさせて見る。

「え?」

「いつも?
“いつも”ってなんですか?」

「え?あ…いや……」

「ヒメさん!
いつも、ナンパされてたんですか!?」

「あ、いや…
よく、仕事帰りに知らない人に誘われるので……
飲みに行こうとか……」

「………」

「も、もちろん、丁重にお断りしてますよ?」

「それ、当たり前ですね」

「ご、ごもっともです……」

「………」

「マオさん、怒ってますか?」

「怒ってますよ」

「え!!?
ご、ごめんなさい!!
えーと……これからは、すぐにマオさんに助けを求めます!!
でも、さっきの人みたいにしつこくないんですよ?
お断りしたら、すぐに諦めてくれますし」

「そいつ等を今、ここに呼び出して、俺の気の済むまで殴りたいです」

「ま、またそんな…恐ろしいことを……」

「………」

「ま、マオさん?」

「ヒメさん。気持ちを落ち着けたいので、そうですね……
あ、そこのホテルにでも行きましょう」
真皇は、目についたラブホテルを指差した。

「え!?/////ほ、ホテル!?ですか!?」

「はい。
抱かせてください」

「え!?/////」

「それとも、今、ここで、むちゃくちゃにキスさせてくれますか?」

「え!?そ、そんなこと…/////」

「できませんよね?
ヒメさんは、照れ屋さんですもんね。
ですから、行きましょう」

「……/////」

有無を言わせない、真皇の雰囲気。
断るなんて、できるわけがなかった。

しっかり指を絡めて手を繋ぎ、ホテルに向かった二人。
部屋を選び、入った途端━━━━━

「ンンン…!!」
口唇を奪われた。

完全に怒っているキスに姫華は抵抗なんかできず、ただされるがまま受け止めていた。

少し乱暴だが、真皇の愛情いっぱいの愛撫に、姫華はなぜか幸せを感じていた。

「マオさん…好き…大好きです……//////」
姫華はずっと、真皇に抱かれながら呟いていた。
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