相思相愛・夫婦の日常~マオさん♡ヒメさん編~
「マオさん?」

「俺の朝食を食べる時間は、いくらでもあります。
でも、ヒメさんといれる時間は一日の中で限られてます。
それにこの時間は、俺にとって至福の時間なんです。
だから、離れないでください」
抱き締め、語りかけるように言った。

「はい……!」
姫華も顔を埋め、嬉しそう返事をした。


バタバタと仕事に行く準備をする、姫華。

「ヒメさん、弁当です!」
玄関に向かう姫華に手渡す。

「わぁー、いつもありがとうございます!」
嬉しそうに受け取り、見上げて微笑む。

「仕事、頑張ってくださいね!」

「はい!行ってき━━━━あ!マオさん、キスしなきゃです!」

「フフ…はい!」
見上げて目を瞑る姫華に顔を近づけ、チュッ!とリップ音をさせてキスを落とした。

目を開けた姫華はまた嬉しそうに笑って、小さく手を振り出ていった。

ガシャンと玄関ドアが閉まる。
微笑み振っていた真皇の手が、力なく落ちた。
そして、顔が切なく歪む。

「ヒメさん、早く帰ってきてくださいね……」
ポツリと呟き、真皇は中に入った。


そして姫華は、軽く走りながら駅に向かっていた。
「━━━━よし!ギリギリ、間に合った!」

電車の時間になんとか間に合い、ホームに並ぶ。
電車が来て、乗客がドサッと降りる。
それに逆らいながら、乗り込んだ。

小柄な姫華は、いつも窮屈な思いをする。
(あー、マオさんがいたらなぁー
こんな窮屈にならないのにぃー
………う…マオさんに会いたくなってきた)

別れてわずか、20分程。
なのに、既に会いたい衝動にかられる。

苦しい思いをしながら、スマホを取り出した。
真皇にメッセージを送った。

【マオさーん】
【今、何してますか?】
【朝食中?】
【それとも、洗濯中?】
【マオさん、好きです】
【会いたいです】
【なんか、仕事頑張れるパワーをください!】

すると、すぐに既読になり返信がくる。

【ヒメさんのいない寂しい朝食中ですよ。
俺も、ヒメさんに会いたいです。
もっとキスをしておけばよかったと、後悔してたところです。
残業なんかせずに、定時で、急いで、帰ってきてくださいね。
俺は好きどころか、大好きどころか、愛してます。
頑張れるパワーは、俺がほしいくらいですが……】

【夕食も抱き締めて食べさせてあげます!
だから、仕事頑張ってくださいね!】

そして“頑張れ”や“好き”“ハート”などのスタンプが送られてきた。

姫華も“了解”や“好き”“ハート”のスタンプを送った。
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