相思相愛・夫婦の日常~マオさん♡ヒメさん編~
それから真皇と姫華は、幸せなGWを過ごした。

特別なことじゃない。
一緒にDVDを見たり、料理をしたり、大掃除をしたり、昼寝をしたり、交際してた頃の話で盛り上がったり………

何気ないこと。

それでも幸せだった。
二人でいられること、微笑み合えること、見つめ合えることが真皇と姫華にとっての幸福だった。

まさに、二人だけの世界にいるようだった。


そして、GW最後の日。

「━━━━━━━ヒメさん、ごめんなさい。
少しの間だけ離れてもらえますか?」

ランチを作っている真皇の背中に、抱きついている姫華。
さすがの真皇も調理がしづらくて、振り向き困ったように言った。

「嫌です!
今日は、片時も離れません。
ウザいくらいに、くっつきます!」

「うーん…でも、今から火をつかいます。
万が一ということがありますので……」

「………」

「………ヒメさん、お願いします」

「………」

「ヒメさん」

「わかりました…」
ゆっくり離れて、背を向け項垂れた。

「あ…ひ、ヒメさん、ごめ━━━━━」
「ごめん…なさ……」

姫華を傷つけてしまった━━━━━

慌てて謝罪をしようとする真皇の言葉に被さるように、姫華がポツリと呟くように謝ってきた。

「え……ヒメ、さん?」

「ワガママ言ってごめんない。
困らせてごめんなさい。
もう、こんなワガママ言いません。
もう、困らせたりしません。
嫌いにならないでください。
ごめんなさい、ごめんなさい……!」

項垂れ、背を向けたまま続けて言う。

「ヒメさん」
そんな姫華の肩を掴んで、向き直させた真皇。
顔を覗き込み言った。

「ワガママ、大歓迎です。
困らせるくらい俺に甘えてください。
嫌いになりませんよ。
もう、謝らないでください」

「マオさん、甘いです」

「そうですね。
でも、ヒメさん相手だけですよ?」

「言いましたよね?
ブレーキかけてくださいって」

「かけるつもりありません。
俺も、言いましたよ?
それでもヒメさんは、自慢の奥さんだって。
だからもっと、甘えてください!」

「そんなこと言われたら、本当に止まらないですよ?」

「はい、望むところです!」
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